WHERE SOUND LIVES “EV Case Stories” Vol.2 -Cafe goofy-

# 導入事例-WHERE SOUND LIVES-

— いい音でかけるのは、当たり前。その先にあるもの-Cafe goofy-

この記事で紹介しているスピーカー

Electro-Voice EVID6.2

デュアル6インチ 2ウェイ サーフェスマウントスピーカー

6インチウーファーを2基搭載したデュアル構成の2ウェイ・フルレンジスピーカー。最大122dB SPLという圧倒的な音圧と、1インチ・チタン製ダイヤフラムHFドライバーによる高域の伸びが特長だ。ベント付きLFエンクロージャーにより低域の再生能力も高く、屋外のオープンエア環境でも体に響くキックと抜けのいい高域を両立する。耐候性を備えたABS樹脂エンクロージャーを採用し、Strong-Arm Mountによって柔軟な角度調整も可能。

周波数特性(-10 dB)62 Hz – 20 kHz
最大SPL(1m)122 dB
定格入力150W(連続)/ 300W(プログラム)/ 600W(ピーク)
感度(1W/1m)94 dB
公称インピーダンス8 Ω(最小 6 Ω)
低域トランスデューサー6インチ × 2基
高域トランスデューサー1インチ チタン製ダイヤフラム(ネオジム)
指向角(-6 dB)水平 100° × 垂直 80°
内蔵クロスオーバーあり
トランス(Tバージョン)70V / 100V:15W / 30W / 60W
入力端子スプリング端子
製品サイズ(H×W×D)419 × 228 × 298 mm
製品重量5.3 kg

Electro-Voice ETX-18SP

18インチ パワード・サブウーファー

18インチDVXウーファーと1,800WクラスDアンプを搭載した、プロフェッショナル仕様のパワード・サブウーファー。ピーク135dB SPLという圧倒的な低域再生能力を持ち、オープンエアのライブ・DJイベントでも体の芯まで届く低音を実現する。統合型FIR-Drive DSPによる精密なカーディオイド設定に対応し、低域エネルギーを前方に集中させることも可能。18mmベニヤ製エンクロージャーにEVCoat塗装を施した堅牢な設計で、屋外環境での長期使用にも対応する。

周波数特性(-10 dB)28 Hz – 180 Hz
周波数応答(-3 dB)33 Hz – 150 Hz
最大SPL(1m)135 dB(ピーク)
アンプ出力1,800W
低域トランスデューサーDVX3180A 18インチ(457 mm)
ローパス周波数80 / 100 / 120 / 150 Hz(切替)
コネクターXLR/TRS コンボジャック × 2、XLR リンク出力 × 2
エンクロージャー18mm ベニヤ + EVCoat塗装
電源100 – 240V〜 / 50 – 60Hz
製品サイズ(H×W×D)550 × 675 × 910 mm
製品重量51.8 kg

旅と音楽が連れてきた、海辺の居場所。
Cafe goofyオーナー 荒川太一氏に聞く

ミュージシャンとして、旅人として、そして飲食店オーナーとして。愛知県西尾市の海沿いに11年店を構える荒川太一氏が、Electro-Voiceを選んだ理由と、音が持つ力について語った。


荒川太一(あらかわ たいち)

Cafe goofy オーナー。ボーカリスト・音楽家。愛知県西尾市出身。バックパッカーとしてインドや欧州を旅し、ベルリンのアーティストコミュニティとの交流を経て音楽活動を本格化。コロナ禍でDTM・シンセ制作を開始し、海外レーベルへのリリースも実現。2015年5月、地元西尾市にCafe goofyをオープン。現在11年目。

楽屋の扉の向こうに、何があるんだろう。

荒川氏の音楽との出会いは、スポーツの挫折から始まった。高校でサッカー部に入ろうとしたとき、3年生の先輩を見て「どんなに努力しても勝てない」と悟ってしまった。その直後、別の先輩に連れていかれたのがライブハウスだった。

「ハードコアだったんですけど、最初なんだこれってなって。でも先輩が楽屋に入っていく後ろ姿がめちゃめちゃ憧れで、僕もあの扉の向こうに入ってみたいって気持ちから始めたんだと思いますね」
—荒川氏

別世界への入り口として音楽を捉えた荒川氏は、20歳を超えてからバンドを結成しボーカルを担当。15年ほどボーカルとして活動を続けた。転機が訪れたのはコロナ禍だ。バンドメンバーのオーストラリア人ベーシストが帰国後、ロックダウンとなり、バンド活動が止まってしまった。

これだと決めたら一気に掘り下げるタイプだという荒川氏は、Moogなどのアナログシンセサイザーを次々と手に入れ、自ら楽曲制作を始めた。やがてDJの友人に良質なレーベルを教えてもらい、デモを送ると意外にも返信が届く。コロナ明けにはそのレーベルを訪ねてイギリスへ飛び、フランス・オランダを経てドイツへ。ベルリンでは偶然にも地元西尾の仕入れ元であるお米屋さんの娘が18年暮らすスクワットハウス(アーティスト共同住居)に滞在し、音楽と人が交差する世界を体感した。

「生きがいだったものがなくなっちゃって。そこからDTMをやりだして、シンセとかにどっぷりはまっていって今って感じなんですよ」
— 荒川氏

Cafe goofyという場所


2015年5月、荒川氏は愛知県西尾市の海沿いにCafe goofyをオープンした。最初はパスタを提供していたが、オペレーションの限界に気づいてハンバーガースタイルに転換。地元の漁師から仕入れた魚を使ったバーガーが看板となった。現在11年目を迎える。

店のロゴは羽。コンセプトは「羽休め」だ。

「お客さんもスタッフも僕も含めて、みんな鳥なんですよ。ここで羽を休めて、また自分の場所に飛んでいってほしいって気持ちがあって。みんな飛んでいく場所は違うじゃないですか。その自分らしい気持ちを取り戻してほしいんです」
—荒川氏

旅好きや個性派が自然と集まるGOOFYのスタッフたちは、荒川氏がベルリンへ行くと聞けば「行ってきてくださいよ」と背中を押してくれる。帰ってきたら面白い話を聞かせてほしい、という子が多いのだという。オーナーと共に旅するような感覚で働いている仲間たちだ。

「お客さんにもどっから来たんですかって一言言うだけで、なんかほっこりするじゃないですか。AI時代だからこそ、人間らしいコミュニケーションの場が大事なんじゃないかなって思うんですよ」
—荒川氏


中途半端なものは入れたくなかった。——直感でOTAI RECORDへ


音へのこだわり、そして出会い

Cafe goofyはオープンエアの広大な敷地を持つ。屋内のカフェスペースだけでなく、海を望む屋外エリア、コンテナスペース、そして常設ステージまで備える。ライブやDJイベント、マルシェも開催するその空間を、荒川氏はずっと「音響をなんとかしたい」と考えていた。

ある日、別件でOTAI RECORDの近くに立ち寄ったとき、直感で飛び込んだ。

「そのままドアを開けたら、たまたまいたようすけさんに相談したら、じゃあ一回行くよって言ってくれたんですよ」
—荒川氏

ようすけ氏は、荒川氏の音楽的な傾向をすぐに理解した。ベルリンが好き、ヨーロッパのクラブカルチャーが肌に合う、アナログシンセを愛する——その傾向が見えれば、どんな音の趣向なのかはだいたいわかる。

「下手なことできないじゃないですか。だから本当に、これだって思えるものをちゃんと選びたかった。中途半端なものを入れて何回も何回もってよりは、これでバッチリできるっていうのを選んだっていう感じです」
— ようすけ氏

18インチを2発——大体断るんですけどね

導入したのは、屋外エリアにElectro-VoiceのEVIDシリーズ、そしてメインとして18インチウーハーを2発というシステムだ。ようすけ氏は「大体断るんです、そんな大きいのは…って」と苦笑いする。しかし荒川氏は即決だった。

屋外防水・防塵モデル
Electro-Voice EVID6.2 x4台
サブウーハーElectro-Voice ETX-18SP × 2台
アンプMarantz / Wharfedale
設置・調整OTAI RECORD

WharfedaleのマルチチャンネルアンプはDJがふらっと来てターンテーブルをミキサーにつなぐだけで、店全体がフロアになる。各所でボリュームを個別調整できるため、モニターだけ上げることも自在だ。

「ふらっと来て告知なしでDJやってたら、音楽を知らないお客さんでもなんか興味あるかもってなるの、ちょっと贅沢じゃないですか。それが本当に良かったですね」
— 荒川氏

ケーブルは地面を掘って

広大な敷地にスピーカーケーブルを通すため、地面を掘り起こす工事が必要だった。そこに集まったのは荒川氏の仲間たちだ。

「太一くんの友達がみんな集まってきてくれて、みんなが手伝ってくれて。この人柄が先にあるから、ここまで来られてるんでしょうね」
— ようすけ氏

荒川氏自身はその功績を「一人でやってきてない」の一言で片付ける。店も音響も、その時その時に巡り合った人たちのおかげで成り立っている——それが荒川太一という人間の根っこにあるものだ。


音は人を元気にする。
GOOFYが鳴らし続ける理由

コロナ禍のセッションが教えてくれたこと

一時期、ライブができなくなったミュージシャンたちが下を向いていたとき、荒川氏はCafe goofyのステージでクローズドセッションを毎週土曜日に開催した。

「みんな笑顔を取り戻し始めて。ミュージシャンが自分の音で自分を元気にしてっていうのを目の前で見て、本当に音楽って力があるんだなってすごい感じたんですよ」
— 荒川氏

そのセッションがやがて口コミで広がり、ミュージシャンがミュージシャンを連れてきて、知らないうちにお客さんが増えていった。ようすけ氏も、当時「西尾にやばいとこがある」と耳にしていたという。

音が人を動かす、という確信

荒川氏には、音が人に与える影響について強い確信がある。音楽医療の実験に参加した経験から、音を「浴びる」ことで人が元気になるメカニズムを肌で感じてきた。店のBGMも意図的にコントロールする。忙しい時間帯はBPMを上げてスタッフのテンションを調整し、閉店前には雰囲気に合った曲をかける。

「極端な話、音で感情って変わるじゃないですか。よく言えば人をいい方に持っていける可能性がすごくある。特に日本は音楽が好きっていう人が他の国より少ない分、逆に可能性があるんじゃないかなとは思ったりしてます」
— 荒川氏

飲食店オーナーへ——いい音でかけるのは、当たり前

荒川氏にとって、いい曲をいい音でかけることはもはや「当たり前」だ。その上でみんなが集まってくればいい、というシンプルな考え方がgoofyの空気を作っている。ようすけ氏はこう言う。

「プロのミュージシャンも納得いく音響で、常設で18インチのウーハー2発があって、こんなとこないと思いますよ。ライブハウスの先って知らない人からしたら怖い世界じゃないですか。こういうオープンエアの場所でElectro-Voiceの音が聴ける——そういう場所として、もっと多くの人に来てほしい」
— ようすけ氏

この事例から得られること

  • オープンエア環境でもElectro-Voiceなら、プロが納得する音圧と輪郭を両立できる
  • マルチchアンプとの組み合わせで、DJイベントからBGM運用まで一台で対応
  • オーナーの感性と信頼が、音響選びの最良の羅針盤になる
  • いい音は、人を集め、カルチャーをつくる

「音がいいと、人が集まってくる」——荒川氏はそう笑った。理屈じゃない。ベルリンで感じた音の力も、コロナ禍のセッションで見た仲間の笑顔も、全部この場所に還ってきている。難しいことは何もない。ただ来てほしい。座って、食べて、波を感じて、音を浴びてほしい。来れば、わかる。

▲ 地元の漁師から仕入れた旬の魚を、さっくりとフライに。海風を感じながらかぶりつくフィッシュバーガーは、余計なことを全部忘れさせてくれる一口だ。
▲SUP体験レッスン&レンタルも。海面に立ち、地球のリズムに身を委ねるその時間は、頭を空にし、気づけばインスピレーションが湧いてくる。クリエイターたちが通い詰めるのも納得だ。
▲カフェに隣接する古着ショップも新規オープン。長く愛されてきた服を、また長く愛してほしい。荒川氏自身がセレクトしたアイテムが並ぶ。
▲カフェ裏手の広場では、完全自主企画の大型音楽イベントも開催される。オープンエアでありながら音響的にも申し分ないこの空間が、ミュージシャンたちを引き寄せる。

STORE INFORMATION

Cafe goofy

営業時間:土日祝 10:00 〜 18:00   平日 11:00 〜 17:00
定休日:水曜、悪天候の日
住所:愛知県西尾市鳥羽町田尻54番

※ペットもご一緒にご来店可能です。 お気軽にお越し下さい。

取材協力

OTAI RECORD

営業時間:AM11:00-PM8:00
定休日:水曜日 (木曜日は出荷業務および、メール対応のみとなっております。)
住所:愛知県 北名古屋市 弥勒寺西 1丁目127